野外ジオ講座(城山偏)
2016.01.20
鹿児島大学名誉教授の大木公彦先生と「城山」を作った地層・地質について学びました!
「絶景かな!絶景かな!」 城山から見る桜島は、とても美しいですね。城山は、火山ではなく、火山の噴出物と海が作り出した山です。鹿児島ぶらりまち歩きのボランティアガイドさんを対象に、ジオの視点で城山自然遊歩道を散策しながら、城山形成の歴史を学ぶ出前講座を実施しました。
【内 容】
日時 | 平成28年1月20日(火曜日) 14:00 ~ 16:00 |
講師 |
大木公彦 先生(鹿児島大学名誉教授) |
場所 |
城山 |
参加者数 |
20名 |
内容 |
「ぶらりまち歩き」コース19: 大樹・森林浴を体感しながら、城山の歴史を学びます。 照国神社 → 城山自然遊歩道 → 城山展望台 |
研修の様子
まず、集合場所の鹿児島まち歩き観光ステーションから照国神社に向かって歩きます。東のほうを向くと海岸から緩やかな下り坂。照国神社に到着して、再度、東を向きます。やっぱり下り坂。先生によると6,000年前の縄文時代は、地球温暖化の時代。今よりも海水面が 3~5m は上昇していたそうです(日本全国でみられた海水準上昇の現象は、縄文海進と呼んでいます)。なだらかな坂は海底です。照国神社付近までは、鹿児島の海だった。縄文人は、海水浴をして遊んでいた。そう考えると、面白いですね。
照国神社でお参りした後、城山自然遊歩道を山頂に向かって登り始めます。写真左手は、城山シルト(砂より小さく粘土より粗い砕屑物)層(水成の堆積層)。参加者が立っているのは、吉野層(火砕流堆積物、溶結凝灰岩)。家を建てるなら、シルト層より強固な岩盤、吉野層の上が安定してますね~。なんて話をしていました。
遊歩道を少し登り、城山層の上部が見える地層へ。すると海成のカキ(Crassestrea gfgas)化石が見つかります。城山層は約13~12.5万年前の海に堆積したと考えられています。城山の場合、海が隆起して現在は陸地になったと考えられています。
さらに登ろうとすると、あらあら「通行止め」の看板が。崖崩れの補修工事です。今回の研修では入れませんでしたが、2016年1月22日からは、右の写真のような火山灰とサージが繰り返された地層を確認することができます。
ようやく山頂付近です。やっとシラス台地(入戸火砕流堆積物, 約2.5万年前)が登場しました。その上には、桜島の火山採石物がのっかっています(植物がありますね)。ラストは、展望台から桜島を眺めましょう!雨の翌日だったせいか、とても視界がクリアです。海と火山の地層が観察できた楽しい、城山の火山歴史の旅でした。