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シリーズ【大噴火に備えて】② もし大噴火が起こったら、どんなことが起きるのか?

2018.03.31

前回のコラムでは、大噴火の前には地震などの様々な前兆現象があること、しかし、正確な噴火の日時や、どのような噴火がどれくらい続くのかを予測するのが難しいことをお伝えしました。

今回は、もし大噴火が起こったら、どんなことが起きるのか?について解説したいと思います。

 

「大噴火」と言っても、地球規模で影響のあるとてつもなく規模の大きなものから(VEI=8)、いつもの桜島の噴火より少し規模が大きいもの(VEI=1)まで様々です。
今回は、約100年前(1914年)の大正の大噴火(VEI=4)を例に解説します。

ちなみに、現在の桜島の1回の噴火を1万円くらいと仮定すると、大正噴火は20億円くらいです。桁違いですよね。

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(※VEIとは火山爆発指数(Volcanic Explosivity Index)のことで、数字が一つ大きくなると、マグマの噴出量が10倍大きくなります。)

 

大正の大噴火は、高さ約2万メートルまで噴煙を上げる爆発的な噴火(プリニー式噴火)で始まりました。
飛行機の飛ぶ高さが約1万メートルですから、その2倍の高さまで噴煙が上がって、そこから軽石が降ってきたのです。
それも次から次に降ってくるわけですから、想像を絶する大惨事ですよね。
そんな噴火が約1日も続きました
桜島の黒神地区では、1日で2メートルも軽石が降り積もり、家や神社の鳥居が埋もれてしまっています。

ちなみに、2mmよりも小さい軽石は火山灰と呼ばれています。火山灰は軽いので風に乗って遠くまで流されます。
大正噴火のときの火山灰は、西風の影響で日本全国でも降り積もり、遠いところではロシアのカムチャッカ半島でも確認されています。

 

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大噴火が始まって8時間後、マグニチュード7.1の地震が起こりました。
鹿児島市街地では震度6の揺れがあり、家屋などの倒壊によって約30名の方が亡くなりました。
桜島で亡くなった方が約30名なので、鹿児島市街地の人的被害も同じくらい大きかったことが分かります。

ちなみに、この地震は、地下にあった大量のマグマが大噴火によって地表に出たため、地下の力のバランスが変わって地盤が動いた(割れた)ことによって発生したと考えられます。

 

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大噴火が始まって1日後、溶岩が流れ始めました
溶岩と聞くと、赤くてドロドロした液体が川のように流れる様子を想像する人も多いと思います。しかし、桜島ではそのような溶岩は一度も流れたことはありません。
昭和21年の溶岩流を見たという地元の人に聞くと、溶岩の厚さは30~40m、幅が200m以上あり、ほとんど固まったようなゴツゴツの岩山がカラカラと音を立てて崩れながら、少しずつ迫って来るような感じだったそうです。
また、溶岩の近くまで行ってタバコに火をつけて来たとか、家を解体して別の集落へ運んで建て直した、というエピソードが残っているそうです。
ちょっと信じられないかもしれませんが、そのくらいゆっくりとしたスピードだったのです。
ちなみに、桜島の海岸線付近まで到達するのに2~3週間かかっています。

 

 このように、大正噴火の場合は、爆発的な噴火で始まり、大規模な地震を伴いながら、最後に溶岩流が流れるという経過をたどっています。いつも同じパターンを繰り返すわけではありませんが、過去の噴火のことを知ることは大切なことだと思います。

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