ジオパークって何だろう?
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地質・地形から地球の過去を知り、未来を考えて、活動する場所です。
ジオパークでは、地球科学的に意義のある場所や景観を、保全・教育・持続可能な開発の観点から総合的に管理しています。ジオパークは、1990年代に「地球の大切な場所を守りながら、教育や地域づくりに役立てよう」という考えから始まりました。現在は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の指針に基づいて、日本も含めて世界中で活動が広がっています。自然遺産や文化遺産と関連する地質遺産を活用し、私たちが暮らす変動する地球の中で、社会が直面している重要な課題への意識と理解を深める活動をしています。
※ジオパーク(Geopark)は、地球や大地を意味するGeoと公園を意味するParkを組み合わせてできた新しい言葉です。
ジオパークの目的は?
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私たちがジオパークプログラムを通じて目指しているのは、「持続可能な社会」の実現です。
これは、地域の大地の特徴を活かしながら、次世代のニーズに応え、長期的な視点で地域の暮らしや文化を守り、経済的な潤いも得ることで、保全と活用を両立させることです。そのため、ジオパークでは次のようなことを大切にしています。
- 自然を守ること:火山や地形、地質など地球の歴史を物語る場所を未来に残す。
- 学びの場をつくること:何万年と言った時間スケールの現象が地域で起こってきた事を知り、私たちが住む地域に誇りと愛着を持つ機会を提供する。
- 地域を元気にすること:観光や教育を通じて、地域の魅力を発信し、暮らしを豊かにする。
※持続可能な社会とは、「健全で恵み豊かな環境が地球規模から身近な地域までにわたって保全されるとともに、それらを通じて一人ひとりが幸せを実感できる生活を享受でき、将来世代にも継承することができる社会」です。
地球の遺産から未来を考える
- 地球の遺産から過去を知ることで、未来を思い描き、今の私たちがどのように行動すべきかが見えてきます。ジオパークでは、地域住民が主体となってボトムアップの活動を進めており、そうした地域がネットワークとしてつながることで、経験や知見を共有し、知恵を出し合いながら持続可能な社会の実現を目指しています。地球の遺産を通じて、地球の仕組みや過去、大地の成り立ちを知ることができ、それらが動植物や人間の暮らしとどのようにつながっているかも理解できます。たとえば、山や川の成り立ちに気づくことで、何気ない景色が違って見えてくるかもしれません。そして、それらの景色が何千年、何万年という時間をかけてつくられてきたことを知れば、私たちの暮らしが地球の活動なしには存在しえないことにも気づくでしょう。
地球の遺産が道しるべになる
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変化する自然環境や社会情勢に柔軟に対応し、時には自然の脅威を乗り越えながら、地域社会で豊かな暮らしを続けていくための道しるべは、私たちの身近にあります。
それは、地球の変動によって生まれ、地域ごとに記録された価値ある過去の情報、特徴ある大地を基盤とした生物の営み、そして先人たちが築いてきた記録です。
これらを「地球の遺産」と呼ぶことができます。ジオパークでは「地球の遺産」を守りながら活用する行動をします。