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桜島火山ニュース

桜島の地名の由来

  • 桜島火山ニュース
  • 2020.02.26

 桜島の地名については、現在のところ確定できていませんが、桜島町郷土誌等によると、以下の4つの説があります。

  1. 10世紀中頃、大隅守として京都から大隅国へ赴任してきた「桜島(さくらじま)忠信(ただのぶ)」の名に由来するとする説
  2. 島の五社大明神社の祭神が「木(この)花(はな)佐久(さく)夜(や)姫(ひめ)」であることから咲夜島(さくやじま)とよんだものが桜島(さくらじま)に転じたとする説
  3. 古代の大噴火の際、桜の花びらが海面に浮かんでいたので桜島と命名したという説
  4. 「サ・クラ・ジマ」で、「サ」は接頭語、「クラ」は断崖・崩壊谷あるいは峻険な斜面をもった山、「ジマ」は文字どおり島を表すとする説

 なお、桜島の呼称が初めて使われたのは、「西藩儒林伝」(永正9年(1512年))にある僧以安の漢詩とされています。

九年正月 公随群臣浮舟遊於海諸又下自舟放鷹山野
以安亦従賦詩云
(一首略)
是月、復従游干櫻島
再侍官舟夕照斜 蒼鷹飛處映紅霞
此遊想可古今以 櫻島回首見雪花

(訳)
永正9(1512)年正月島津忠治公、群臣を随え舟を浮べ海諸に遊び、又舟より
下りて山野に放鷹す
以安亦従い詩を賦して云う
是月、復従ひて櫻島に遊ぶ
再び官船に侍れば夕照斜めなり 蒼鷹飛ぶ處紅霞に映ず
此の遊想古今以てすべし 櫻島に首を回らせば雪花見ゆ

【噴火】と【爆発】の違いとは?

  • 桜島火山ニュース
  • 2017.09.15

こんにちは!ジオコラムの時間です。

170908 (1)(写真提供:植村恭子)

最近桜島が活発ですね!

桜島がモクモクと噴煙を上げたとき、皆さんはなんと言いますか?

「噴火した」という方もいれば「爆発した」という方もいるのではと思います。

普段何気なく使っている “噴火” と “爆発” 。その違いをご存知ですか?
実は、気象庁はこの二つの言葉を明確に区別して使っています。

 

■【噴火】とは?

まず、気象庁では噴火を次のように定義しています。

ー火山現象として、火口外へ固形物(火山灰、岩塊等)を放出または溶岩を流出する現象

 

しかし、噴火の規模はさまざまなため、気象庁ではある一定以上の規模の噴火を記録しています。

噴火の規模については、大規模なものから小規模なものまで様々であるが、 固形物が噴出場所から水平若しくは垂直距離概ね 100~300m の範囲を超すものを噴火として記録する。

 

要約すると、100~300mを超える噴煙があがる噴火を「噴火」と記録するということです。

 

■桜島の【噴火】とは?

しかし、桜島は特に活発な火山です。
100m~300mの噴火をすべて数えることは難しいことから、以下のふたつを「噴火」として記録しています。

 

 1)爆発的噴火

 2)噴煙量階級3* 以上の有色噴煙を伴う噴火
  * 気象庁では噴煙量を噴煙の高さと幅から1~6の階級に分けて観測しています。噴煙量階級3以上の噴煙は、高さが概ね 1000m以上の噴煙に相当します。

 

ほかの山では100~300mを超える噴煙が上がれば記録するのですが、桜島では約1000m以上噴煙が上がらないものは、噴火と数えないのです。さすが桜島といったところでしょうか・・・。

ここで、「爆発的噴火」という言葉が出てきました。次はこちらをご紹介しますね。

 

■【爆発的噴火】とは?

爆発とは、爆発的噴火の略。気象庁では、桜島における爆発的噴火を次のように定義しています。

ー爆発地震を伴い、爆発音または体感空振または噴石の火口外への飛散を観測、または鹿児島地方気象台の空振計で3Pa 以上、あるいは桜島島内の空振計のいずれかで 10Pa 以上の空振を観測した場合に爆発的噴火とする。ただし、上記の条件を満たした場合でも噴煙に特に変化が見られない場合には噴火としない。


補足
・Pa(パスカル)は圧力の単位です。
・桜島島内には、「横山観測点」、「瀬戸観測点」、「あみだ川観測点」の3カ所に気象庁の空振計が設置されています。桜島島内の観測点の詳細については、気象庁Webサイト「桜島 観測点配置図」をご覧ください。
・「噴石の火口外への飛散」の詳細:南岳山頂火口では噴石が少しでも火口外へ飛散した場合、昭和火口では噴石が火口から水平距離概ね500m以上飛散した場合。

 

む、難しい・・。

まとめると、噴火の際に【★】と【☆の中からひとつ】が発生すると「爆発的噴火」となるわけです。

  ★爆発地震(人が感じるようなものではありません。)

  ☆爆発音(ドンという大きな音。)

  ☆基準を超える空振(衝撃波のことです。大きいと窓が揺れることがあります。)

  ☆火口外への噴石の飛散

 

■まとめ

桜島での噴火と爆発(爆発的噴火)の記録について

■気象庁が記録を残す桜島の噴火は、【爆発的噴火】と【噴煙が概ね1000m以上あがった噴火】の2種

■【爆発的噴火】とは、爆発地震に加えて、爆発音・空振・噴石の飛散のうちどれかが観測された噴火のこと。

 

ちなみに、9月15日9時現在、桜島の噴火回数は312回、そのうち爆発的噴火は70回です。

 

■もっと詳しく知りたい方は・・・

今回は、気象庁の「噴火の記録基準について」などを参考に、一部を省略しながら簡単な言葉でご紹介しました。
もっと詳しく知りたい方は、気象庁「噴火の記録基準について」をご覧くださいね。

桜島の噴火はよくあること? 70年近く小さな噴火を繰り返しています。

  • 桜島火山ニュース
  • 2017.06.18

桜島と聞くと、どんなイメージを抱きますか?

噴火を思い浮かべる方も多いのではと思います。

1706_1 (5)

イメージのとおり、桜島はとても頻繁に噴火する火山。
モクモクと噴煙があがったり、火山灰が降ってきたりすることは日常的茶飯事です。

今日は、桜島の日常的な噴火についてお伝えします。

 

■桜島は70年間近く小さな噴火を繰り返している!

ここ半世紀の桜島の爆発的噴火の回数をグラフにしてみました。
(爆発的噴火と噴火の違いは、こちら。)

1955年から2021年までの間、噴火しなかった年はありません。
最も回数が多かった2011年には、996回もの爆発的噴火が観測されました。
こちらのグラフを見ると、桜島は日常的に噴火していることがよくわかりますね!

桜島は、1955年から70年近く日常的に噴火をしている活発な火山。
私たち鹿児島の人々にとって、桜島が煙を上げることは珍しいことではなく、

よくあることなのです。

 

kurokami2

噴煙が青空に伸びていきます。(桜島島内・黒神町より)
1706_1 (1)

噴火を繰り返す火山の麓に人々が暮らしているのが桜島の特徴。風向きによって火山灰が降りますので、気になる方は風向きをご確認くださいね。(桜島・有村町より)

1706_1 (2)

夜の噴火はすごい迫力。昭和火口を望む桜島の東側の地域からは、このような景色を見られることもあります。(桜島・黒神町より)

 

桜島・錦江湾ジオパークへお越しの際は、時々桜島を眺めてみてくださいね。
運が良ければ(?)噴煙を上げる姿を見ることができるかもしれません。

生きている火山・桜島で、生きている地球を感じてみましょう。

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