獺貫の滝
台地が生んだ隠れた名瀑
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龍門滝の北西にある「獺貫の滝」は幅8m、高さ13m。滝つぼは深く、水面は濃い緑色に輝き、左右には柱状節理*1が発達した断崖がそびえ立つ美しい滝です。滝を形成する岩体はおよそ70万年前の海の地層(国分層群加治木層)の隙間に入り込んだマグマが冷え固まってできた安山岩で、蔵王岳や龍門滝を形成する安山岩と同じものです。
獺貫の滝の近くには江戸時代に加治木郷士・池田助右衛門が西別府台地から木田地区に水を引くため、およそ4年をかけて218mもの岩盤を堀り抜いた切通もあります。この切通により多くの水が流れ込んだ木田地区には用水路が整備され新田開発が進められました。龍門滝に比べるとあまり知られていない獺貫の滝ですが地質学的にも、歴史・文化的にも大変貴重な場所なのです。